つみたてNISAを始めた90.9%の人は、投資未経験者というデータを日本証券業協会「NISA口座開設・利用状況調査結果について」が公表しています。新NISAを始めたいのに、何から始めたら良いのか分からない。どんな銘柄を運用すれば良いのかわからない、といった人が多いのではないでしょうか。
- 新NISAを始めたいけど、どの銘柄を買ったらイイ?
- 銘柄は1つで良いのか、それとも複数組合せた方が良いのか?
- 新NISAを始めるには、何から始めれば良い?
- 初心者に優しいネット証券の選び方?
という疑問を初心者にもわかりやすく解説していますので、誰でも迷わず新NISAを始められるようになります。是非このまま記事を読み進めて下さい。
新NISAの銘柄を選ぶ3つのポイント
そもそも新NISAで老後資産を作るための基本を押さえておく必要があります。新NISAで資産を形成するには、10年、20年、30年と中長期間運用するものであるという事です。
短期決戦の1、2年で資金が増えるものではありません。この点はしっかりと頭にいれておいて下さい。
- 信託報酬が安いファンドを選ぶ
- 人気のインデックスファンドを選ぶ
- 総資産額が100億円以上のファンドを選ぶ
それでは、3つのポイントの解説をしていきます。
【Point1】信託報酬が安い銘柄を選ぶ
複利の世界では、手数料が増えるとそれ自体も複利で増加していくため、数十年後に受取る利益の中から大きな手数料を差引くことになります。つまり、手数料の利率が低ければ低いほど、将来受け取る利益が大きくなる、という事です。
ですから、新NISAで投資銘柄を選ぶ基準は「手数料が安い」こと、これが重要です。実際には信託報酬の基準を0.2%以下のものを選ぶようにします。
【Point2】人気のインデックスファンドを選ぶ
日経平均株価という言葉を聞いた事あると思います。これは日本を代表する大手企業225社の株価を平均した数値です。大手にはトヨタとかソフトバンク、ユニクロなどが含まれています。
この日本を代表する大手225社の株価の平均点である指標(インデックス)に連動した動きをする投資信託が、インデックスファンドです。
つまり日本大手平均株価に連動するインデックスファンドを買うという事は、国内の大企業225社の株価の平均点に投資をする事と同じになります。日本経済が伸び続ける限り、インデックスファンドも同じように伸び続けます。
結論を言うと、日本企業が伸び続ける限り、インデックスファンドも同様に伸びていく、かなり安全で、しかも伸びる可能性が大きい投資銘柄であるということです。これが、私が投資初心者にインデックスファンドをおすすめする最大の理由です。
ただ、インデックスファンドであれば何でも良い訳ではありません。その中で、新NISAで運用していくのに適したインデックスファンドをご紹介します。新NISAに指定されている221本の投資銘柄の中で、私たち投資初心者におすすめの銘柄は、日本のインデックスではなく、もっと広範囲に分散投資された、高配当の「全世界」「米国」のインデックスファンドそれぞれ3種、「先進国」を2種紹介します。
全世界株式インデックスファンド3選
- MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス
- FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス
という世界指標になります。その中でも、ぜひ資産構築に採り入れたい、人気トップ3をご紹介します。
❶eMAXIS Slim全世界株式インデックスファンド
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は、MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスに連動する投資成果を目指すインデックス型投資信託で、愛称は「オールカントリー」「オルカン」などと呼ばれています。
日本を含む、全世界に投資するため、全世界丸ごと投資したい人におすすめですが、米国への投資が約6割と大きいため、米国の成長がカギを握っているといえる投資信託です。アメリカ経済の好景気の影響で、直近のデータでは年利回りが極端に順調です。
総資産額が2兆円超、信託報酬が激安の0.05775%の一押しの全世界株式です。
ファンド名 | eMAXIS Slim全世界株式 |
資産クラス | 全世界株式 |
連動する指標 | MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス |
銘柄数 | 世界の大型~中型株 約3,000銘柄 |
総資産額 | 2兆4354.11億円 |
信託報酬 | 0.05775% |
年利回り | +31.66%(直近)、+16.17%(5年平均) |
運用会社 | 三菱UFJアセットマネジメント |
❷楽天・全世界株式インデックスファンド
楽天・全世界株式インデックス・ファンドは、世界の株式に丸ごと投資できるインデックス型の投資信託です。愛称は楽天V.Tです。
バンガード・トータル・ワールド・ストックETFに投資するので、この商品を1つ保有すれば、日本、先進国、新興国など、全世界の株式約8,800銘柄に分散投資できます。
世界の株式にまとめて投資し、世界の経済成長の恩恵を受け取りたい人におすすめで、NISAやiDeCoでもおすすめの銘柄です。
ファンド名 | 楽天・全世界株式インデックスファンド |
資産クラス | 全世界株式 |
連動する指標 | FTSE Gloval All Cap Index |
銘柄数 | 世界の大型株~小型株 約8,800銘柄 |
総資産額 | 4224.44億円 |
信託報酬 | 0.192% |
年利回り | +29.99%(直近)、+13.83%(5年平均) |
運用会社 | 楽天投信投資顧問 |
❸SBI・全世界株式インデックスファンド
SBI・全世界株式インデックス・ファンドは、全世界の株式市場の値動きに連動する成果を目指すインデックス型投資信託です。雪だるまのように膨らんでいくという意味で、愛称は雪だるま(全世界株式)と呼ばれています。
投資先は、バンガード・トータル・ストック・マーケットETFに60%(米国株式市場の大型株から小型株まで投資)、残り40%は米国を除く先進国・新興国の株式に投資します。
全世界にまるごと投資しつつ、やはり米国の比重が高めに構成されている銘柄です。
ファンド名 | SBI・全世界株式インデックスファンド |
資産クラス | 全世界株式 |
連動する指標 | FTSE Gloval All Cap Index |
銘柄数 | 世界の大型株~小型株 約8,000銘柄 |
総資産額 | 1727.65億円 |
信託報酬 | 0.1102% |
年利回り | +29.81%(直近)、+13.82%(5年平均) |
運用会社 | SBIアセットマネジメント |
米国株式インデックスファンド3選
米国株式で基準となる指標(インデクス)は2つ
- S&P500
- CRSP US Total Market Index
というインデックスです。
特に2024年からこの先、米国経済が低迷する可能性も囁かれている中、米国株式1本掛けは避けたいところです。リターンを上げるという点から米国株を取入れるのであれば、全世界株式とペアで導入することを強くおすすめします。
様子を見ながらの運用であれば、資産形成の強い味方になることは間違いないでしょう。
❶eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
まずは一番人気であるスリムシリーズの米国株式インデックスファンドです。
指標であるS&P500の中身を見てみると、上位の銘柄はGoogle、Apple、Facebook、Amazon.com、Microsoft、いわゆるGAFAM(ガーファム)として有名な、IT業界の世界的シェアを誇る5社を筆頭に、米国の有名企業500社が構成しています。
手数料も安く、総資産額も3兆円を超える大型ファンドで安定しているため、米国の成長の波に乗りたい人にはおすすめの銘柄です。
ファンド名 | eMAXIS Slim米国株式(S&P500) |
資産クラス | 米国株式 |
連動する指標 | S&P500 |
銘柄数 | 米国の大型株約500銘柄 |
総資産額 | 3兆6079.48億円 |
信託報酬 | 0.09372% |
年利回り | +39.51%(直近)、+18.59%(5年平均) |
運用会社 | 三菱UFJアセットマネジメント |
❷楽天・全米株式インデックスファンド
楽天・全米株式インデックス・ファンドは、主にバンガード・トータル・ストック・マーケットETFに投資し、大型~小型株まで約4,000銘柄に投資しています。
ほぼ米国に丸ごと投資しているといっても過言ではない投資銘柄で、現状の米国の経済成長の恩恵を受けたい人におすすめです。
ファンド名 | 楽天・全米株式インデックス・ファンド |
資産クラス | 米国株式 |
連動する指標 | CRSP US Total Market Index |
銘柄数 | 米国の大型~小型株 約4,000銘柄 |
総資産額 | 1兆3358.49億円 |
信託報酬 | 0.162% |
年利回り | +37.16%(直近)、+17.02%(5年平均) |
運用会社 | 楽天投信投資顧問 |
❸SBI・V・S&P500インデックス・ファンド
SBI・V・S&P500インデックス・ファンドは、バンガード・S&P500ETFに投資し、米国の代表的な株価指数のS&P500指数(円換算ベース)に連動する投資成果を目指すインデックス型投資信託です。
手数料が安く、低コストで運用できる商品です。S&P500と連動した運用を目指したい人におすすめです。
ファンド名 | SBI・V・S&P500インデックス・ファンド |
資産クラス | 米国株式 |
連動する指標 | S&P500 |
銘柄数 | 米国の大型株約500銘柄 |
総資産額 | 1兆3965.63億円 |
信託報酬 | 0.0938% |
年利回り | +39.32%(直近)、+21.45%(5年平均) |
運用会社 | SBIアセットマネジメント |
先進国株式インデックスファンド2選
❶eMAXIS Slim先進国株式インデックス
eMAXIS Slim先進国株式インデックスは、日本を除く先進国株式に低コストで投資できるインデックス型投資信託です。
全体の約7割を米国に投資しているの為、米国株式と同じような動きをしています。
日本株を運用していて他の先進国に投資を始めたい人、低コストで長期投資をしたい人におすすめです。
ファンド名 | eMAXIS Slim先進国株式インデックス |
資産クラス | 先進国株式 |
連動する指標 | MSCIコクサイ・インデックスに連動 |
銘柄数 | 日本を除く約1,300銘柄 |
総資産額 | 6428.77億円 |
信託報酬 | 0.09889% |
年利回り | +34.13%(直近)、+16.08%(5年平均) |
運用会社 | 三菱UFJアセットマネジメント |
❷SBI先進国株式インデックス・ファンド
たわら
ファンド名 | SBI先進国株式インデックス・ファンド |
資産クラス | 先進国株式 |
連動する指標 | FTSEディベロップド・オールキャップ・インデックス |
総資産額 | 223.36億円 |
信託報酬 | 0.1017% |
年利回り | +32.86%(直近)、+17.68%(5年平均) |
運用会社 | SBIアセットマネジメント |
以上、運用におすすめの順に
- 全世界株式インデックスファンド
- 米国株式インデックスファンド
- 先進国株式インデックスファンド
の特徴をご紹介しました。
【Point3】総資産額が100億円以上の大型ファンドを選ぶ理由とは?
この総資産額が少ない場合、運用をしていくこと自体が困難となり、「繰上償還」といって運用が強制終了される事があります。
そして総資産額が100億円を超えるファンドは、操上召喚の危険度が低いと統計的に証明されています。だから100億円を超えている事が選ぶ条件1です。
もう一つ大事なことは、総資産額が増加していることも重要です。総資産額が100億円を超えているファンドで、その総資産額が増加傾向であれば動いているという事。つまり、このファンドは安定的に発展しているので、購入する候補になるという判断材料になり、これがファンドを選ぶ条件2となります。
自分の戦略で選ぶ銘柄が違ってくる
初心者だから放ったらかしながら着実に資産を作りたい人
初心者に多いのが「投資信託をいくつ運用すれば良いでしょう?」という質問です。結論から言うと「自分の投資戦略による」という事になります。
ただ、私が初心者におすすめする戦略は、できるだけ「放ったらかし」に「簡単」に運用することです。このように「簡単に放ったらかして、でも、そこそこの結果が欲しい人」は、新NISAもiDeCoも「全世界株式インデックスファンド」の一本掛けをおすすめします。
とは言うものの、もう少しだけリスクを多めにして、より高リターンな資産構築をしたい人も居るでしょう。そんな人は、
人気のインデックスファンドで高リターンを狙いたい人
高リターンを狙いたい人には、ベースは「全世界株式」を50~75%に置き、その上で高リターン用に上で紹介した「米国株式」または「先進国株式」を25~50%の割合で、同時運用すると良いでしょう。
私のおすすめは、やはりリスクを押さえることを念頭に・・・
- eMAXIS Slim全世界株式を50~75%ベースに
- eMAXIS Slim米国株式(S&P500)または楽天・全米株式インデックス・ファンドを25~50%
- 上記➁米国株式の代わりに、先進国株式もOK
リスクを減らすために、できるだけ全世界株式を50%超を維持しましょう。
新NISAの始め方
新NISAを始めるのは簡単です。まず初めにネット証券を選びます。
店舗のある銀行や証券会社ではなく、なぜネット証券が理想的かと言うと・・・
- 営業担当者がいないのが良い
- 手数料が圧倒的に安いから
- 自宅で24時間取引ができるから
というのが3つの理由です。
まずは証券口座を開設しましょう
新NISAを始めるには、まずはネット証券で証券口座、そしてNISA口座を開設します。iDeCoもやりたい方は、iDeCo口座も同時に申請出来ますので、ご自分の用途に合わせて口座を開きましょう。
ネット証券もいろいろとありますが、自分が運用したい銘柄を取扱う以下3社であれば、どこでもOKです。それぞれの特徴を挙げていますので、好みのネット証券で口座を開設しましょう。
⚫証券口座開設数1位
⚫国内株式売買手数料0円
⚫カスタマーサポートも高評価
楽天証券と並び、国内ネット証券シェアを二分する、ネット証券の王者的存在。
口座開設数 | 1300万超と国内最大 |
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手数料 | 非常に安い(ほぼ0円) |
取扱投資信託 | 2500本と多い |
取扱い株式 | 日・米・中・韓・ASEANと5カ国 |
ポイント連携 | dポイント、Ponta、Tポイント、Vポイント、JALが使える |
アプリ/ツール | 使いやすく定評あり |
口座の開設数は業界最多の1300万口座を超える最大手です。また売買手数料等もほぼ無料の0円と、手数料の安さが重要ポイントとなる新NISAには理想的なネット証券会社です。
銘柄の取扱数も投資信託で2500本を超え、世界株式は5カ国と業界最多。気になる大手ポイントサイトとの連携も多く、投資運用をするだけでどんどんポイントも貯まります。
資料請求も出来ますから、じっくりと投資戦略を練りたい人に最適です。口座開設は無料ですから、安心して申し込めます。
⚫証券口座開設数900万件突破
⚫国内株式売買手数料0円など激安
⚫楽天ポイントと連携できるので超人気
SBI証券と国内シェアを2分する存在!
口座開設数 | 約900万口座と国内最大級 |
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手数料 | 非常に安い |
取扱投資信託 | 約2500本 |
取扱い株式 | 日・米・中・ASEANの4カ国 |
ポイント連携 | 楽天ポイント |
アプリ/ツール | 使いやすく定評あり |
口座開設数は900万超と、SBI証券とともに国内シェアを2分するネット証券です。
各種手数料が0円~激安と、新NISAには欠かせない販売手数料の安さが魅力です。
投資信託も2500本を超え業界トップクラス、世界の取扱株式も4カ国と業界最大級を誇ります。
楽天グループですから、楽天証券で運用するだけで「楽天ポイントがドンドン貯まる」のが特徴で、楽天ファンにはたまらない魅力です。口座開設は無料です。
⚫マネックスカードでポイント還元率No.1
⚫国内株式売買手数料0円
⚫ワン株買付手数料無料はネット証券初!
⚫米国株も1株から買える
というユニークさにファンが多いネット証券です。
口座開設数 | 約222万口座 |
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手数料 | 安い |
取扱投資信託 | 約1600本 |
取扱い株式 | 日・米・中の3カ国 |
ポイント連携 | ★5|dポイント、アマゾン、Ponta、Tポイント、nanako、waon、JAL、ANA |
アプリ/ツール | 使いやすく定評あり |
マネックス証券の口座開設数は222万件程ある3大大手の一つです。手数料は今の流れに沿った「ほとんど無料」ですから、中~長期投資の新NISAには最適な投資環境を提供してくれます。
取扱投資信託数も1600本程と十分な取扱数があり、また世界株式は日・米・中と主要3カ国を網羅しているので銘柄選びで困る事はありません。
気になる大手のポイントサービスですが、マネックス証券は業界最大級の提携数を誇っています。マネックス証券で投資を購入するだけで、毎回提携ポイントが付いてきますので、これは結構大きな魅力です。
マネックスカードと連携させることで、独自のマネックスポイントが最大2.2%も付加されるので、運用益と共にポイント収入が大きく見込まれるため、マネックス証券を選ぶ人が増えています。大手ポイントサービスとマネックスポイントの両方で稼げるのは、マネックス証券がNo.1。
口座開設は最短で1日で完了し、新NISAをすぐにでも始められます。もちろん開設は無料ですから、気軽に申請が出来ます。
まとめ
2024年に改正された新NISAは、合計1800万円まで無期限で非課税となりました。通常の課税額は20.315%ですから、これが非課税なら、やらない手はありません。
現在NISAを始めている人でも、90.9%は全く初めてで、何からやればよいのか?どんな銘柄を運用すればよいのか分からないのが現状です。
この記事では、そんな初心者の人が迷わず、そして損せずに銘柄を選ぶ方法をご紹介しました。
ズボラで放ったらかしで運用利益が欲しい人
新NISA(iDeCoでも)で運用する銘柄はただ1つ。
全世界株式インデックスファンドです。
これだけを購入すれば、あとは放ったらかしておいても資産構築が出来ます。
もっと利益に挑戦したい人
全世界株式インデックスファンド50%と、米国株式インデックスファンド50%の2つを運用します。
この場合、米国株式はアメリカ経済に気を掛ける必要がありますが、今は30%~40%超えで利益を出していますから、かなりの資産構築が期待出来ます。
おすすめのネット証券会社
さて、ではどこのネット証券がおすすめかと言うと、上で紹介した3大ネット証券であれば、どこでも大丈夫です。国内シェアトップ2社ですから、安心して口座を開設してください。
国内シェアトップ2社を、もう一度下に掲載します。