分散投資とは?
分散投資には、資産の下落リスクを軽減できるという大きなメリットがあり、投資家に必要な投資手法です。分散投資する方法には、大きく分けて4つあります。
- 国や地域の分散
- 株式や債券などの商品の分散
- 円やドルなどの通貨の分散
- 積立などによる時間の分散
これら4つを組み合わせることで、より上手にリスクをコントロールでき、損失を抑え利益を守ることが期待できる、投資する上でとても重要な手法です。
なぜ分散投資のネガティブ意見が出てくるのか
このように分散投資の手法は、投資上のリスクを分散し、投資損失を可能な限り回避するために重要な、投資の世界では「基本中の基本」な常識です。
それなのに、分散投資は危険だとか、意味がないなどという意見が後をたたないのはどうしてでしょうか?
「分散投資は意味がない」の意味
結論から言うと、分散投資には重要な意味があります。ですから「分散投資は意味がない」というのは正しくない意見です。
ではなぜ、このようなネガティブな意見が出てくるのか、検証してみました。その結果、例えば2017年に起きた金融危機であるサブプライムローン問題を取り上げてみます。
世界金融危機と言われた大事件が起きると、株価も投資信託もアクティブファンドにも、その災はすべてに降り懸ってきます。その結果、投資信託のように分散投資を施してリスクを回避するはずの商品も、当然下落します。それを持って「分散投資は意味がない」という意見が出ています。
確かに「定点観察」として、ピンポイントでその時点の結果をみれば、分散投資でリスク回避したはずの投資信託が下落した。だから「意味がない」というのも、分かる気はしますが、正しくありません。これは投機の話です。
ピンポイントの利益を見るのは『投機』であり、私たちがやっている『投資』とは異なります。
結論として、投資運用のリスクを回避するために『分散投資』をやることは、投資活動にとっては非常に大切なことであり、「投資に分散投資は意味がない」という意見は間違いであると言うことが分かります。
投資に分散投資は必要です。
「長期分散投資は危険」の真偽は?
次によく聞くのが「長期分散投資は危険だ」というネガティブ意見です。さっそく検証してみましょう。
「長期分散投資は危険」なのであれば、「じゃぁ短期なら良いのか?」と聞き返したくなります。
今までの説明でもお分かりのように、長期だろうが短期だろうが分散投資という手法には全く関係がありません。分散投資は投資を運用する上で必要なリスク回避手段です。
もし1銘柄だけを運用した場合、その1銘柄に利益がでれば良いですが、失敗したら「損失」をもろに被ってしまいます。この危険性を回避するために、他の複数銘柄も同時に運用して「1つがダメでも他の複数銘柄の利益でリスクを相殺する」のが分散投資をする意味合いです。長期も短期も、分散投資とは関係ありません。
結論は「長期分散投資は危険」という意見は、間違いということになります。
「投資信託は分散しすぎ」という勘違い
投資信託は分散すればするほど「利益の平均化」が起こり、リスクを利益で相殺していきます。そして損失を軽減していくための、ひとつの大事な手法です。
私がおすすめしている投資信託で、全世界株式インデックスファンドという商品があります。このファンドは世界50カ国以上の優良企業の株式に分散して投資しているのですが、分散数はというと、
ファンド銘柄 | 投資している株式数 |
eMAXIS Slim全世界株式 | 約3,000以上 |
SBI全世界株式インデックスファンド | 約8,000以上 |
楽天全世界株式インデックスファンド | 約8,000以上 |
当然、個人で投資するにはほぼ不可能とも言える世界の優良企業株式に分散しています。これだけの数の株式、しかも国、通貨も含めて分散しているため、過去30年ほどの実績でも非常に安定した上昇率を維持しています。
そもそも「分散しすぎ」という、その「しすぎ」の基準もあやふやです。
結論として、投資信託は分散するから安定し安心できるわけで、ネガティブコメントの「投資信託は分散しすぎ」という基準自体ありませんし「数はいくつまでが適当」などという基準もありません。重要なのは「いかにリスクを分散して軽減し、安定的に利益を稼ぎ続けるか」という事で、数にはまったく関係ありません。
分散投資の正しい考え方
冒頭でも簡潔に分散投資について解説しました。分散投資の考え方は、デイトレなどの投機には適用されませんが、私たちが運用していく投資のリスクを軽減するためには非常に重要な手法です。
詳細は以下の別記事でも解説していますので、こちらもご覧ください。
分散投資とは? 分散投資とは、対象投資商品を1本ではなく複数運用することによって、たとえその中の1つがマイナスになっても、他の複数商品のプラスで、その不利益を相殺する手法です。その分散投資の手法には、大きく分けて4つあります。 […]
まとめ|投資初心者はどうしたら良いのか
結論から言えば、投資初心者はあまりネット上でのネガティブ意見に惑わされないことが重要です。
ここは「分散投資」の話ですから、分散に特化すると・・・
投資をする場合、特にプロとして利益率重視で攻めるとすれば、時に分散を控えて利益が出そうな銘柄に集中し稼ぎを最大限にする場合もあるでしょう。
しかし私たちは一般人であり、特に投資の初心者ですから、
- 危険なリスクをできる限り避ける
- その中で可能な限り儲ける
- 最終的には老後資金2000万円問題を解決する
という目的の中で、ほったらかしの投資活動をしたい訳です。
その状況下での間違いない選択肢として、分散投資がしっかりとされた投資信託を選ぶのがベストです。分散投資は、投資運用をしていく上では、とても重要な要素です。ここを覚えておいて下さい。