新NISAは2024年1月からリニューアルして、前のNISAを遥かに超える使いやすさとメリットが追加されました。
ところがネットを検索してみると「新NISAはデメリットしか無い」とか「新NISAはやめたほうが良い」などというネガティブな記事も多く見られます。
実際のところ、どうなのでしょうか?
この記事では・・・
- 新NISAは本当にやらない方が良いのか?
- 新NISAのデメリットは何かを知る
- 初心者が新NISAで稼ぐ方法
について分かりやすく解説していきます。
結論|新NISAは本当に危険なのか?
結論から言うと、たしかに新NISAにもデメリットはあります。それは・・・
- 新NISAで扱える金融商品に限りがある
- 非課税口座の新NISAには限度額がある
- 新NISAで損失を出すと「損益通算ができない」「繰越控除ができない」
というデメリットです。
ただ、このようにデメリットはありますが、新NISAは特に投資の初心者には非常に有利な制度ですから、もしまだ始めていない人がいたら、これは今すぐにでも始めてください。メリットの方が圧倒的に大きいです。
では以下からデメリットと、その対処方法を解説していきます。
①新NISAで扱える金融商品に限りがある
NISA口座で最も口座開設数が多いSBI証券の例ですが、2024年1月22日時点で取り扱われている投資信託の数は・・・
- つみたて投資枠が218本
- 成長投資枠が1,155本
と、新NISAで購入できる金融商品の数には限りがあるところが、一般口座に比較してのデメリットと言われています。
ただ初心者にとっては、これだけの本数があれば十分ではないでしょうか?「やめたほうが良い」というほどのデメリットではありません。
②非課税口座の新NISAには限度額がある
一般口座には購入金額の累計に上限はありませんが、新NISAには1年間の上限、総額の上限に制限があります。
「つみたて投資枠」に120万円、「成長投資枠」に240万円、合計360万円が1年間に利用できる限度額です。
また総合計で1,800万円までが新NISAの利用枠で、この合計を超えてしまう分は一般口座での取り扱いとなり、そこには税金が掛かります。
つみたて投資枠 | 成長投資枠 | |
年間投資枠 | 120万円/年 | 240万円/年 |
非課税保有期間 | 無期限 | |
非課税保有限度額 | 1,800万円 | |
(成長投資枠のみは1,200万円) | ||
口座開設期間 | 恒久化 | |
投資対象商品 | 積立・分散投資に適した一定の投資信託(現行と同じ) | 上場株式・投資信託など |
対象年齢 | 18歳 | |
現行制度との関係性 | 現行NISAと新NISAは別枠。現行から新NISAへの移行(ロールオーバー)は出来ない |
自分が投資している総額のうち、1,800万円まではNISA口座を利用すれば非課税になるのですから、これは使わない手はありません。「新NISAには限度額があるからデメリットである」は、間違いです。大いに利用しましょう。
③新NISAで損失を出すと控除ができない
いままで説明したよく言われているデメリットは、正直あまりデメリットとは言えないような状況ですが、これから説明する「損失を出した場合の控除」に関しては、覚えておいた方が良いです。これは確かにデメリットと言えます。
言い換えれば、新NISAは利益に対しては非課税になりますが、損失を出した場合は、その他の投資の利益と損失を相殺する事はできない制度ですので、この点は注意が必要です。
損失を相殺できない2つのケースは以下のとおりです。
a. 損益通算が出来ないデメリット
損益通算とは、複数の口座の損益を通算することです。以下、新NISAを利用していない時と、利用している時の違いを比較します。
まずは一般口座のみの場合
一般口座(A) | 一般口座(B) | 課税対象額 |
利益 +30万円 | 損失 △50万円 | A+B= △20万円の損失 |
どちらも一般口座のみで運用する場合、(A)の投資でで損失が50万円、(B)の投資では利益が30万円とします。この場合の課税対象額は・・・
利益+30万円 + 損失△50万円 = 課税対象額 △20万円
となり、総計△20万円、と利益と損失が相殺され、課税額は0円となります。
それに対して・・・
次はNISA口座を利用している場合
一般口座(A) | NISA口座(B) | 課税対象額 |
利益 +30万円 | 損失 △50万円 | D= 30万円の利益 |
一般口座(A)の投資で30万円の利益を得、その反面NISA口座(B)で△50万円の損失を出してしまった場合には、その損失を利益からマイナスすることが出来ず、新NISA口座の損失△50万円はそのまま非課税で、一般口座(A)の利益+30万円に課税されます。
つまり、新NISAで損失を出しても、その損失はその他の投資利益と相殺する事は出来ません。
b. 繰越控除が出来ないデメリット
次に「繰越控除」についてです。繰越控除とはその年に出した「損」は、3年間に渡り繰越が出来るという制度です。ここでは2年間を例に説明します。
一般口座の場合
2022年 一般口座 | 2023年 一般口座 | 課税対象 |
損失 △50万円 | 利益 +30万円 | A+B= △20万円の損失 |
例えば、2022年の投資で損失△50万円を出し、2023年では利益+30万円を出したと仮定します。繰越がなければ、2023年の利益+30万円に対して課税されますが、3年間の繰越控除があるので2022年度の損失△50万円を翌2023年の利益+30万円と相殺できるので、
利益+30万円 + 損失△50万円 = 課税対象額 △20万円
と見なされ、課税額は0円になります。これが繰越控除です。
NISA口座で損失を出した場合
ここでは分かりやすく・・・
- 2022年はNISA口座のみを運用し、損失△50万円を出した
- 2023年は一般口座のみで運用し、利益+30万円を出した
と、単純に仮定します。
2022年 NISA口座 | 2023年 一般口座 | 課税対象 |
NISA口座: 損失 △50万円 | 利益 +30万円 | NISA口座での損失は繰越控除できない為 一般口座の利益+30万円に対しての課税が行われる |
通常の一般口座での投資であれば2022年の損失を、2023年の利益と相殺することが出来たのですが、損失を出したのがNISA口座の場合、その損失を次年度に繰り越せないために、2023年度の税金は一般口座の利益+30万円全額に課されてしまいます。
結論として、NISA口座で出した損失は、「損益通算」も「繰越控除」も出来ません。
この点は、新NISAのデメリットとして認識をしておく必要があります。
損失を出さない運用をすれば良い
以上、新NISAの数少ないデメリットをご紹介しました。この新NISAのデメリットを克服するのは簡単です。
新NISAで「損を出さない」運用をすれば良いのです。
初心者に最もおすすめなのが「全世界株式インデックスファンド」1本に絞り、それを最低10年以上放ったらかしにしておく投資手法です。これなら、どんな初心者でも出来ることです。
全世界株式の詳細は以下の記事にもありますので、参考にしてください。
つみたてNISAを始めた90.9%の人は、投資未経験者というデータを日本証券業協会「NISA口座開設・利用状況調査結果について」が公表しています。新NISAを始めたいのに、何から始めたら良いのか分からない。どんな銘柄を運用すれば良い[…]
おすすめ2大ネット証券
証券口座は、証券会社の窓口、銀行、ネット証券がありますが、その中でもおすすめはネット証券です。その理由は・・・
- 初心者だから確実な全世界株式を選びたい
- ネット証券では担当がいないので自分のペースで金融商品を選べる
特に、②の担当が付かない事が重要で、担当者は必ず余計な商品を売りつけてきますから、今から始めるなら必ずネット証券にしましょう。
ネット証券にもいろいろとありますが、下に紹介する「SBI証券」と「楽天証券」を選んでおけば間違いはあり得ませんので、まだNISA口座を開設していない人は、どちらかでNISA口座を開設してください。
⚫証券口座開設数1位
⚫国内株式売買手数料0円
⚫カスタマーサポートも高評価
楽天証券と並び、国内ネット証券シェアを二分する、ネット証券の王者的存在。
口座開設数 | 1300万超と国内最大 |
---|---|
手数料 | 非常に安い(ほぼ0円) |
取扱投資信託 | 2500本と多い |
取扱い株式 | 日・米・中・韓・ASEANと5カ国 |
ポイント連携 | dポイント、Ponta、Tポイント、Vポイント、JALが使える |
アプリ/ツール | 使いやすく定評あり |
口座の開設数は業界最多の1300万口座を超える最大手です。また売買手数料等もほぼ無料の0円と、手数料の安さが重要ポイントとなる新NISAには理想的なネット証券会社です。
銘柄の取扱数も投資信託で2500本を超え、世界株式は5カ国と業界最多。気になる大手ポイントサイトとの連携も多く、投資運用をするだけでどんどんポイントも貯まります。
資料請求も出来ますから、じっくりと投資戦略を練りたい人に最適です。口座開設は無料ですから、安心して申し込めます。
⚫証券口座開設数900万件突破
⚫国内株式売買手数料0円など激安
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SBI証券と国内シェアを2分する存在!
口座開設数 | 約900万口座と国内最大級 |
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手数料 | 非常に安い |
取扱投資信託 | 約2500本 |
取扱い株式 | 日・米・中・ASEANの4カ国 |
ポイント連携 | 楽天ポイント |
アプリ/ツール | 使いやすく定評あり |
口座開設数は900万超と、SBI証券とともに国内シェアを2分するネット証券です。
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投資信託も2500本を超え業界トップクラス、世界の取扱株式も4カ国と業界最大級を誇ります。
楽天グループですから、楽天証券で運用するだけで「楽天ポイントがドンドン貯まる」のが特徴で、楽天ファンにはたまらない魅力です。口座開設は無料です。
まとめ
以上、ネットニュースでよく目にする「新NISAは意味がない」「新NISAはやめたほうが良い」「新NISAはデメリットしかない」などの中傷は気にする必要が無い、ということがお分かり頂けたと思います。
まだ新NISAを始めていない人は、簡単ですから、まずはSBI証券、楽天証券の口座開設からスタートしましょう。新NISAは長期投資ですから、早ければ早いほど、資産が増えていきます。